大谷メジャー?中田大野増井宮西FA動向 – 日本ハムファイターズ2017シーズン総括
10月10日にプロ野球2017年レギュラーシーズン全日程が終了しました。
さあここからクライマックスシリーズ!と盛り上がろうにも我らが日本ハムファイターズは5位。昨季日本一の覇権を争った広島カープがセリーグで連続優勝したのと比べると、ちょっとどころか相当悔しい&寂しいポストシーズンとなってしまいました。
去年はおだってこんな感じで記事を上げつづけていました。
今年はこの悔しい&寂しい気持ちを噛み締めながら、今シーズンの総括記事をアップしたいと思います。
今季の個人成績
2017年シーズンの個人成績をザックリとまとめてみました。
★打者成績(100打席以上|率 本 点 盗)
(棒線から下は規定打席未満)西川 .296 9 44 39
松本 .274 5 33 6
大田 .258 15 46 5
レア .229 32 90 0
中田 .216 16 16 67 0
—————
近藤 .413 3 29 3
田中 .252 2 18 11
横尾 .239 7 20 0
大野 .221 3 13 0
中島 .208 1 13 11
石井 .205 3 24 3
清水 .198 1 10 0
市川 .170 1 8 0
岡 .169 0 7 6
打者陣で言うと、大谷の離脱による穴が相当大きいですが、それ以外でも中田の不調、近藤の怪我、岡の不調など、昨季と比べると全体的にトーンダウン。一方その分若手を積極的に起用出来たので、その経験が来季以降に花開けば、価値のあったシーズンとも言えます。
★投手陣(35イニング以上|試合 勝 敗 S H 防)
有原 25 10 13 0 0 4.74
加藤 21 6 6 0 0 3.53
高梨 22 7 7 0 0 3.68
上沢 15 4 9 0 0 3.44
鍵谷 60 2 3 17 1 2.53
増井 52 6 1 27 7 2.39
村田 15 1 2 0 0 2.77
石川 37 0 1 0 7 4.35
宮西 51 4 5 0 25 3.32
マー 40 0 2 0 29 1.19
公文 41 3 0 0 3 2.70
投手陣もしつこいですが、大谷の抜けた穴は相当に大きく、またエース格を期待された有原も防御率・勝率共に芳しくありません。一方でリリーフ陣は健闘しており、試合を壊さない先発投手の駒が揃えば、上位陣とも充分対等に戦えるともいえます。
期待を持って来季に挑みたいところですが、そうは言い切れない不安材料があります。
それは、選手のコンディション維持と中心選手の退団による戦力ダウンです。
けが人の絶えないシーズン
今季はとにかく怪我による離脱者の多いシーズンとなりました。
まず真っ先に揚げられるのが投手としても打者としても2016シーズン大活躍し、チームの日本一の牽引力となった大谷翔平の離脱(右足三角骨障害、左太腿肉離れ)
そもそも足首の不安から投手としての調整不足もあり、開幕時は打撃に専念。チームの得点源として活躍していただけに離脱は相当痛かった。
底上げが急務だった外野陣では、シーズン前の谷口雄也の大けが(右膝前十字靭帯損傷|全治7ヶ月以上)打撃開眼の近藤健介の離脱(登録は捕手|右太腿裏痛→椎間板ヘルニア)
2シーズンに渡って全試合スタメンと守備の要として遊撃ポジションを守って来た中島卓也が、踵骨下滑液包炎、右内腹斜筋筋挫傷と二度に渡って離脱。
投手陣も、中村勝が右肘内側側副靱帯再建術(全治14ヶ月)で今季絶望。ヤクルトから移籍の杉浦稔大も右肩違和感から脱した気配がありません。
他にも短期間でしたが、中田翔(鼠蹊部炎症)レアード(走塁中に転倒)マーティン(投球中に右脇腹傷)と主力選手が離脱.
更にはシーズン終盤になって、盗塁王を争う西川遥輝が死球により左脹脛打撲で離脱、大野奨太も右肘の張りを訴えて離脱、とまるでパリーグのヤ戦病院状態。
そもそも選手を多く抱えずスリムに運営していくことがモットーのファイターズ、選手のコンディション維持が悪いとチーム力が大幅に下降することは今シーズンの戦いぶりを見ればあきらか。
よく誰それがいればもっと勝ってたよねとかいう意見を目にしますが、怪我をするしないってのもその選手の実力だし、層が厚いのもチーム力の一つなので、それはナンセンスな意見です。
フルスタメンを何年も続けている選手の少ないファイターズにとって、シーズンを通して戦える準備(オフやキャンプの過ごし方)とコンディションの維持(トレーナー陣の充実など)こそが実は最も大事なポイントなのかもしれません。
積極的に新陳代謝を続けるチーム事情
日本のプロ野球を長年見て来たそこそこ歴のあるファンにとって、ここ数年のファイターズの入退団ネタには驚かされるばかりです。
メジャーリーグではベーシックな手法ですが、馴染みの無い日本プロ野球のファンにはよくも悪くもドラスティックに感じるんじゃないでしょうか?
元々育成枠を使わずに、2軍の選手をしっかりと鍛えてホットなうちに1軍に挙げてフル活用するというスタイルのファイターズは、選手年俸の総額があらかじめ設定されており、それを全選手で活躍に応じて分配するという方針。
なので、マネーゲームに発展するFA争奪戦には参加しませんし、ダルビッシュや大谷のようにポスティングでのメジャー挑戦も容認。国内FAに関しても年俸の高額な中堅に関してはドンドン出して、その抜けたポストに活きのいい若手を試していくという感じです。
2016年シーズンオフから今日まででもこんな感じで積極的に動いております。
・2016シーズンオフのトレード
吉川光夫(投手)石川慎吾(外野手)⇄巨人:大田泰示(外野手)公文克彦(投手)
・2017シーズン中のトレード
エスコバー(投手)⇄DeNA:黒羽根利規(捕手)
屋宜照悟(投手)⇄ヤクルト:杉浦稔大(投手)
谷元圭介(投手)⇄中日:金銭
・2017シーズン中の放出
ルイスメンドーサ(投手)ウエーバー公示※(クライマックスシリーズ勝ち抜けを狙う阪神が獲得)
・2017年シーズンで退団
飯山裕志(内野手|38)→引退
武田久(投手|39)→現役続行を希望
という感じで、オフだけでなくシーズン途中にも積極的に動いています。
※ウエーバー公示とは?
プロスポーツにおいて、契約期間中にチームが支配権を放棄(waive)する選手(waiver)を公表する手続き。
ウエーバー公示(保有権の放棄)後、公示期間が1週間あり、その間に獲得希望球団があれば移籍、なければ自由契約選手となり契約が解除されます。
要するに定められたトレード期間以降に選手を移籍させたい場合にとる手続きです。一般のトレードなどと違い、全球団に公平に獲得の意思を問うことが出来ます。
退団の可能性のある選手は?(FA,渡米)
今オフには、FA権を保有している選手が8人おり、特にバリバリのレギュラー格4人の動向に注目が集まっています。
中田(内野手|28歳|2.8億)増井(投手|33歳|2.2億)宮西(投手|32歳|2.0億)大野(捕手|30歳|0.55億)の4選手。
中田には阪神やオリックスの噂が出てますし、大野に関しては日本代表にも選出されたレギュラークラスの捕手ということで、手を上げる球団がいそうです。増井・宮西はここ数年ファイターズリリーフ陣の要としての実績がありこれも争奪戦必至です。
もしこの4人がファイターズを去るということになれば、野手、投手ともに間違いなく戦力ダウン。
他にも矢野(外野手)石井(投手)もFA権を保有しています。(武田久→戦力外、飯山→引退)
そしてなによりもみんなが気になるのが大谷選手のメジャー挑戦です。
大谷は(23歳|2.7億円)昨年投手としても打者としても好成績を残し、チームの日本一に貢献しました。
以前より、今オフでの渡米が噂されており、残るのか?渡るのか?日本中の野球ファンが注目しています。
先日もホーム最終登板でリアル二刀流(4番投手)として出場し、圧巻の完封勝利を挙げて、そのポテンシャルの高さを見せつけてくれました。
はむほ〜!4番ピッチャー大谷124球被安打2の完封劇!試合終了直後の大谷くんと栗山監督の表情……やはり渡米は確実?
【動画】10/4 ファイターズ対バファローズ ダイジェスト – プロ野球 – スポーツナビ「パ・リーグTV」 https://t.co/JoiDBPu7Y3— すすきのへ行こう編集部 (@go_susukino) 2017年10月4日
このダイジェスト動画を見ると、勝利後にマウンド上からスコアボードを眺める大谷選手とそれを見つめる栗山監督の表情から、渡米は確実では?と予想する人も多かったのでは?
来季は全く違うチームになる?
谷元投手の金銭トレードには驚かされましたが、それよりもファイターズファンをざわつかせているのが白井一幸コーチの退団です。ヒルマン時代に1軍コーチとして抜群のキャプテンシーを発揮し、3度のリーグ優勝、2度の日本一に貢献しました。
栗山監督体制後の新監督体制へ向けてどんな陣容になっていくのか?FAで抜けた選手の穴をどのような選手起用で埋めていくのか?とにかくシーズンオフのファイターズに注目です!
(ドラフトやオフの選手の入退団などを見て追記しようと思います。)